最近、リラックス効果や様々な疾患に効果があると話題になりつつある『CBD』
本当にそんな効果があるのなら試してみたいけど、CBDが大麻に関係する成分だと聞くと危ない薬なのではないかと思いますよね?
大麻は麻薬…。体に害を与えるようなイメージを持ちますが、大麻草から採取されるCBDには皆さんが想像するような『ハイ』になったり陶酔感を覚えたりする効果はありません。
皆さんが安心してCBDに挑戦したいと思えるよう、今回はCBDについて詳しくまとめました。
現在では、オイルを始め食品やスキンケア用品など、幅広くCBD商品は販売されており、上手に日常に取り入れることが出来れば今のライフスタイルを向上させることができるかもしれませんので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
CBDとは?
CBDとは『カンナビジオール』の略称です。
植物の麻、いわゆる大麻草なるものに含まれている成分の1つです。
麻には60種類を超える成分(カンナビノイド)が含まれており、そのうちの1つに『CBD(カンナビジオール)』があります。
危ない薬物というイメージしかない大麻ですが、実は、麻には痛みを和らげたり、心を落ち着かせたり、睡眠を助けたり、食欲を増進させたり、吐き気を抑制したり、と治療効果が期待できることも分かっています。
CBDの歴史・社会・文化
CBDを含む麻の治療薬としての歴史は、紀元前2700年前から記録が残されています。
紀元前2700年前の中国の記録「神農本草経」によると、麻はリウマチ性疼痛、便秘、女性器障害、マラリアなどに効果のある薬として記されています。
また、インドでは紀元前1000年ごろから医療として麻が用いられており、鎮痛剤、抗けいれん、催眠鎮静、抗菌、抗寄生虫、下痢、胃腸炎、食欲刺激、利尿、媚薬、気管支炎に効果のある薬とされていました。
しかし大麻が有名になると、陶酔感を求めてTHC(テトラヒドロカンナビノール)を多く含む麻に需要が高まり、市場に置かれる麻のCBD含有量は極めて少なくなっていました。
そうした中、2008年にアメリカで成分検査のための研究機関が誕生し、2009年にはTHCよりもCBDの含有量が多い品種が発見されました。
その品種を医療目的で試してみると、陶酔感はなく痛みが引いたという意見もあり、CBDの特徴が明かされるきっかけとなりました。
その後、CBDオイルを始めとした様々なCBD製品が開発されるようになったのです。
CBDの医療的な作用機序や薬理
CBDを摂取することで、体内のバランスを調整し炎症を抑える効果があることが分かっています。
CBDが体内のどこに作用することで、そのような効果が出ているのでしょうか?
実は、CBDは体内の疾患に直接作用している訳ではなく、身体の調節機能を担うECS(エンドカンナビノイドシステム)に働きかけることで疾患に効果を発揮しています。
ECSは、全ての哺乳類が持っている身体調節機能で、食欲や睡眠、消化機能、免疫機能、痛み、炎症、神経細胞の成長、気分、運動制御など様々な機能を調整しているシステムです。
- ストレスの軽減、リラックス作用
- 不眠症の緩和
- うつ病や不安の解消
- タバコなどのへ依存の緩和効果
- てんかんへの効果
- アレルギーや皮膚の炎症の緩和効果
CBDとTHCの違いについて
大麻について調べると、CBDといっしょに『THC(テトラヒドロカンナビノール)』というワードがセットになっていることが多いです。
THCもCBDと同じ、大麻に含まれる化学物質の1つで、THC、CBDのどちらもとても高い治療効果があることも知られています。
ここまで聞くとTHCとCBDはかなり似ていますが、THCとCBDには大きな違いがあります。
THCが治療薬にもなり得るのに評価されない理由は、人に陶酔感を与えたり、人を『ハイ』にさせる作用があるからです。
ご存じの通り、THCのこの作用が大麻を世界で有名にさせ、多くの人が持っている大麻へのイメージとは、まさにTHCの作用のことです。
THC、CBDは高い治療効果がありますが、CBDには人を『ハイ』にするような効果がなく、またCBDにおいては身体にメリットのある作用があるとして世界的にも注目を集めています。
CBD製品における製法
CBD製品には、
- CBDだけで作られるアイソレート製法
- CBDのほかの成分も含まれるフルスペクトラム製法
- ブロードスペクトラム製法
上記3つの製法があります。
聞き慣れない名前で混乱すると思いますので、それぞれの長所・短所をもう少し詳しくまとめてみました。
アイソレート製法
アイソレートには「隔離・分離」という意味があり、CBD以外の成分を除外した製法のことを指します。
CBDだけが抽出されているため、安全性が確認されたことから2018年にドーピングリストからも外されており、スポーツ選手も愛用している製法です。
- 相乗効果は期待できない
- 純度の高いCBDを摂取することができる
- 麻特有の苦みや青臭さがなく摂取しやすい
→CBDが初めての人におすすめ
フルスペクトラム製法
フルスペクトラム製法とは、CBD以外の成分も含めた製法を指します。
フルスペクトラムには「全範囲」という意味があるので、フルスペクトラム製法で抽出されるものはCBD以外の大麻に含まれる化学物質のほとんどが含まれたもの、大麻本来の成分にかなり近いものになります。
- THC(日本では違法)が含まれている
- CBDの他の100種類以上の成分(ビタミン・ミネラル・テルペン等)を摂取することが出来る
- 相乗効果がかなり高い
- 麻本来の成分に近く、CBDの効果が最も高い製法
→日本での摂取・所持は違法
ブロードスペクトラム製法
ブロードスペクトラム製法とは、THCを除いた麻の成分を抽出した製法を指します。
ブロードスペクトラムとは「広範囲・幅広い」という意味があり、THC以外の麻の成分という広範囲に及ぶ成分が含まれていることから、そう呼ばれているそうです。
本来はTHCのみを除いた製品を指しますが、CBD以外の化学物質が20%含まれているものであればブロードスペクトラム製法と呼んでも問題がないため、そのような製品も多く存在しています。
- THCのリスクなく、麻のビタミン・ミネラル・テルペン等の成分を摂取できる
- 相乗効果が期待できる
- 青臭さや苦みなど麻特有の風味がある
- 麻本来の成分に近く、CBDの効果が最も高い製法
→匂いに癖があるものの、CBDの効果をより感じたい方にはおすすめ
CBDに期待できる5つの効果
CBD製品について詳しくなったところで、CBDに期待できる代表的な5つの効果を紹介します。
どうしてCBDの摂取によってそのような効果が期待できるのか、その仕組みについても解明していきましょう。
ストレス軽減やリラックス作用
CBDには、体内でつくられるアナンダミドの分解を保護する効果があるそうです。
アナンダミドは、記憶、睡眠、鎮痛、摂食、生殖・妊娠、幸福・快感、細胞調節といったことを正常に行わせる役割があります。
アナンダミドの分解を保護し、アナンダミドが通常よりも長く体内に滞在することで、身体は長い時間アナンダミドの作用を受けることになります。
アナンダミドの作用を通常より長い時間受けることで、気持ちを落ち着かせることができ、激しい気持ちの起伏や、衝動的な行動を回避できるようになります。
このような効果は自閉症の反社会的な行動が極めて少なくなることが期待されています。
またこれらの効果は、睡眠薬の仕組みと同様に、脳の興奮を抑えリラックスさせることで、不眠症にも効果が期待できます。
不眠症の緩和や不安解消への効果
CBDには、精神を安定させる作用があるセロトニンの分泌を促す効果もあります。
セロトニンが脳内に増加することで、感情がコントロールできるようになると考えられているからです。
セロトニンは、精神安定のほか睡眠にも深く関わりのある神経伝達物質のため、セロトニンの分泌を促すCBDは、不安の軽減、気分の高揚、不安神経症、うつ病、不眠症に効果があるといえます。
タバコなどの中毒性を緩和させる
大麻自体には中毒や依存するイメージがありますが、CBDには中毒性の緩和に効果があるだろうということが分かっています。
依存症患者の体内で起こる神経細胞の変性を、CBDが保護する働きがあることが分かったからです。
これらの働きは、執拗な記憶を減少させる効果があります。
CBDの神経細胞の変性を保護する効果は、嫌な記憶のフラッシュバックなどといったトラウマの克服にも役立つだろうとも考えられています。
てんかん等への効果も報告されている
てんかんとは、人よりも神経伝達が高すぎることで起こりうるもので、これはCBDからECSへの働きかけによって緩和できるだろうと考えられています。
ECSには体内のバランスを調整するシステムであり、てんかんの人はECSを持ちながら神経伝達の動きが正常でない状態です。
CBDがECSの働きをサポートすることで、正常に神経伝達を調整することができるようになり、てんかんの発作を抑えられるだろうということです。
皮膚の炎症や痛みの緩和作用
皮膚の炎症などに対しても、てんかんと同じような考え方ができます。
アレルギーや皮膚の炎症は、他人よりも免疫が高すぎることで起こりますが、これは身体のバランスを調整するECSをCBDがサポートすることで緩和することが期待できます。
他、CBDには痛みの緩和作用があるとも言われていて、仕組みは同じで、CBDがECSのサポートをし血糖値を安定させることで神経因性疼痛を軽減させる効果があるという考え方です。
これらは、CBDの抗炎症作用と呼ばれ、動脈炎の緩和にも効果があるだろうと考えられています。
CBDの摂取方法や主な使い方は4つ
日常のオイルといえば皮膚や髪の毛に塗ったり・・・CBD製品のオイルを購入したとしても、どうやって摂取すればいいのか分かりませんよね。
実はCBDは摂取方法によっても効果の現れ方はちがうといわれています。
直接口から摂取する経口摂取
CBDを含むカプセルや食品などで、口から摂取する方法です。
口から摂取されたCBDは、消化器官で取り込まれ、肝臓で代謝を受け、血流に入り全身に運ばれていきます。
吸水率は、6~20%と低めとなっています。
オイルを舌下に垂らす舌下投与
舌下投与は、舌の下にCBDオイルを垂らし溶かして使用する方法をいいます。
経口投与と似ていますが、そのまま飲み込むのは間違った使用法で、必ず舌の下で溶かして吸収させます。
吸収率は13~35%と経口摂取より高く、効果の持続時間も4~8時間と長いことが特徴です。
このことから様々な疾患にも効果をもたらしたやすい摂取方法であるといわれています。
電子タバコやアロマによる吸引
CBDを含んだリキッドを気化させ、電子タバコやアロマによって吸い込むことでCBDを摂取する方法です。
CBD配合のリキッドを吸い込むと、CBDは肺胞の毛細血管に入り全身に巡ります。
吸収率は35~56%とかなり高いのですが、持続時間が30分~1時間と極めて短いのが難点です。
クリームやジェルによる経皮吸収
CBDを含むクリームやジェルなどで皮膚からCBDを摂取する方法です。
皮膚から入り込んだCBDは体内に浸潤し、CBDの近くにある細胞や組織に効果を発揮します。
経皮吸収方法では、血流に入らないため吸収率などは該当しないのですが、直接局部に塗ることができるため、皮膚炎や関節症等には効果が期待できそうです。
CBD製品を購入するときの注意点や選び方
購入するときは必ず信用できるサイトで購入しましょう。
初めて購入する人は信用できるサイトであるか見極めるのが難しいと思いますので、選び方のポイントを下記にまとめてみました。
- 商品ページに原材料の採算値の表記があるか
- 第三者機関の検査の実施の有無
- 商品の口コミの数と評価
- 商品実績
ちなみに日本ではブロードスペクトラム製法のCBD商品はほとんど見かけないのですが、日本でフルスペクトラム製法と書かれて販売される商品のほとんどは、実際はブロードスペクトラム製法です。
そもそもフルスペクトラム製法のものは、THCを含むため日本では違法になってしまうので売っているはずがないとは思いますが…。不安な方は、CBD商品で有名な会社や、信用できる会社で購入することをお勧めします。
・信頼できるサイトで直接購入するようにしてください。
・メルカリなどのフリマアプリには、海外製やTHCが含まれている可能性があります。
CBDはどんな人に適してる?
どんな薬でも合う・合わないはありますよね。
飲み合わせによっては薬であるはずのものが毒として身体に作用するかもしれません。
CBDが合っている・おすすめの人
fa-check-square-o持病や疾患に悩まされている人
てんかんや皮膚炎、うつ病など薬を服用されていても症状がつらいと感じている人は多くいると思います。
病院の先生と相談しながら、CBDも症状が緩和に役立ててみましょう。
fa-check-square-o夜眠れない、強いストレスを感じている人
CBDには人をリラックスさせる効果が期待できます。
寝る前のココアにCBDオイルを入れてみたり、いつものタバコをCBDに変えてみたり、日常にCBDを取り入れることであなたのストレスが軽減されるかもしれません。
CBDが向いてない・合わない人
fa-check-square-o他の薬を服用している人
CBD自体に強い副作用はありませんが、別の薬と服用することで通常の効果とは別の影響が身体に出る可能性があります。
薬を服用している人は必ず、病院で確認してからCBDを摂取するようにしてください。
fa-check-square-oCBDのことを知っても、不安がある人
「大麻の成分と聞くだけで怖い…。」とやっぱり不安な人もいると思います。
そういう人は服用することをお勧めしません。
疾患を治すために使用するのに、CBDが原因で気持ちが落ち込むのでは本末転倒だと思います。
CBD関連でよく出てくるワード
CBDが属する麻、CBDと共通の麻の化合物、CBDの効果が現れる人間の機関など、CBDと検索すると化学的なワードがたくさんヒットしますが、改めて、CBDと大きな関わりを持っている3つの略語について簡単にまとめておきます。
CBD(カンナビジオール)
CBD(カンナビジオール)とは、麻に含まれる100種類以上の化学物質のうちの1つです。てんかん、精神病、社交不安障害、皮膚炎などに効果があることが分かっています。強い副作用や、大麻特有の人を「ハイ」させる作用を持たない化学物質であることが明かされ、大麻所持が違法の日本でもCBDのみは合法で安全に使えます。
THC(テトラヒドロカンナビノール)
麻に含まれる化学物質のうちの1つです。高い治療効果を持つ反面、人を「ハイ」にさせたり、陶酔感を覚えさせる作用があります。THCも含め大麻を医療的な目的で扱う国もありますが、リスクを伴うためTHC配合物質は日本では違法になっています。
ECS(エンドカンナビノイドシステム)
身体を健康に保つために、体内のバランスを調整するシステムです。人間だけではなく地球上の哺乳類全てがECSを体内に持っており、食欲、睡眠、消化機能、免疫機能、痛み、炎症、神経細胞の成長といった様々な機能をECSがコントロールしています。CBD・THCの身体への効果は、CBDや・THCがECSに作用することで身体に効果を表しています。
CBDとは?に対する結論とまとめ
CBDとはどんなものか?ここまでの内容で概ねご理解いただけたかと思いますし、CBDの勘違いでもありがちな『CBD=大麻』に直結するわけではないという事も分かったと思います。
現代では研究も進み、CBDオイルやCBDクリーム、CBDパイプなど、麻の成分の1つであるCBDに関してはかなり日常に取り入れやすい形なりました。
発見された当初は、治療薬として扱われていた麻ですが、徐々にそのリスクの高さや依存性から“危ないクスリ”としての面が大麻を有名にさせてしまった事もあり、まだまだ日本では「大麻=麻薬」「CBD=麻薬」というイメージが強いかもしれません。
もちろん、このような理解の仕方もあながち間違いでもないのですが、CDBのように安全に使用できて、体をリラックスさせたり疾患を緩和するような面もあることも知って頂ければと思います。
CBDがあることで、あなたの日常のストレスを和らげることが出来るかもしれませんので、興味のある方はぜひこの機会に取り入れてみてはいかがでしょうか?